イランに行くなら
イスラムというのは、もともとの意味は「平穏に神に帰依する」ということですから、争乱を好まない宗教でした。
ムハンマドが聖戦を起こしたのも、メッカの商人たちに一族が迫害されたためで、最初から異教徒を攻撃したのではありません。
ムハンマドはすでに信じる神をもつ民族に、改宗を強制することはありませんでした。
しかし、シーア派のイマームたちによって指導されている現在のイランは、イスラム圏だけでなく、世界全体から孤立せざるをえない宗教ナショナリズムに覆われてしまいました。
湾岸戦争後、緊張緩和の傾向が少しずつ見えてきましたが、まだ、ぜひイランにお出かけなさいとすすめられないのが残念なところです。
しかし、イランに出かける人には、ペルセポリスまで行くのなら、その途中で古都イスファハンにも寄ることをすすめます。
テヘランからペルセポリスのあるシーラーズには飛行機もありますが、長距離バスを使って出かけるのが本当はおもしろいのです。
テヘラン―イスファハン間、イスファハン―シーラーズ間ともに400キロ程度の距離がありますが、夜行の長距離バスに乗れば、それぞれひと晩の行程です。
月の砂漠をえんえんと走る旅などというのは、イランくらいでしか経験できません。
途中のキャラバン・サライ(隊商宿)で飲むチャイの味や、砂の砂漠、低木の砂漠、岩の砂漠、ときには塩の砂漠の風景・・・。
生涯忘れがたいものに出会えます。
