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2010年10月 アーカイブ

ゴッホの人生 7

「君がミシュレを読み、彼の言うことがとてもよく解ったと聞いて嬉しい。


ああいう本は、愛には人びとが一般に想像する以上の多くのものが含まれているのだということを教えてくれる。


・・・女は男と全くちがった存在であること、そしてまだわれわれにはわからない・・・


君の言う通り、少くともまるで表面的にしかわからない・・・


存在であるということ、そうだよ、ぼくも確かにそう思う。


また、夫婦はひとつになりうる、つまり、2個の半分ではなく、1個の全体になりうるということ、これもまた確かなのだと思う」。


テオの妻ヨハンナは、事件後のゴッホについて、


「この最初の大きな悲しみで彼の性格は変ってしまった。


休暇で家に帰って来たとき、彼は、痩せて、黙りこくって、がっかりして・・・まるで違った人間のようだった」という話を伝えています。


「違った人間」になった彼は、休暇が終りロンドンへ戻っても、もはや、以前の有能な店員に戻ることは出来ません。


母親が言うように、彼は「人生を気楽にやれない」のです。


しかし、このような事件が、彼のなかの、描く欲求と、宗教性とを強く刺激したように見えることはいかにも興味深いでしょう。


彼は数多くのスケッチを描きます。

ゴッホの人生 8

ロンドンに戻って間もない8月10日には、テオにあてて、こんな手紙を書き送るのです。


「親愛なテオ


『なんじらは肉によりて審く、我は誰をも審かず』


『なんじらの中、罪なき者、まず石を榔て』


そこで、君は自分自身の考えをしっかり守りたまえ。


もし、自分の考えの正しさが疑わしかったら、『我は真理なり』と断言した人の考え、あるいは、たとえばミシュレのごとき極めて人間的人物の考えに照らしてただしてみたまえ」。


ゴッホの変りようを心配した人びとは、こんなとき人びとが考えそうなことを考えます。


つまり「しばらくロンドンから遠ざければいい、そうすりゃ忘れるだろう」と。


というわけで、彼は、伯父フィンセントの口ききで、グーピル商会のパリ支店に一時転勤ということになります。


12月末には、いったんロンドン支店に戻りますが、翌年の6月には、正式にパリ勤務を命じられます。


彼はパリ転勤に不満だったらしいのですが、ロンドンやハーグならつとめられたというわけのものでもないのでしょう。


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